モバイルバッテリーのメーカーとして有名なAnker。
そのAnkerのオーディオブランド・SoundCoreが2019年11月27日に、新型の完全ワイヤレスイヤホン「Liberty 2」と「Liberty Air 2」を発売しました。
2機種とも、音質と機能性、コスパまで兼ね備えた完成度の高いアイテムです。
本記事では、この2機種のうち、「Liberty 2」をレビューしていきます。
SoundCore Liberty 2の概要
まずは、本品の魅力を箇条書きで整理していきます。
SoundCore Liberty 2のココがスゴい!
- 直径10mmのダイヤモンドコーティングドライバーによる高音質
- SoundCoreアプリで、音質のカスタマイズが可能
- 耳にしっかりフィットしつつも軽快な装着感
- わずか10分のケース充電で2時間も音楽が楽しめる
- USB-Cからの充電に加え、非接触充電にも対応
最大の魅力は、大型10mmのダイヤモンドコーティングドライバー搭載による高音質。
ドライバーはイヤホン・ヘッドホンなどオーディオ機器の心臓部分で、大きければ大きいほどいい音を鳴らす、とされています。
本品のドライバーは、完全ワイヤレスイヤホンとしては最大級の大きさです。
また、本品はSoundCoreアプリで、イコライザーのカスタマイズができます。
これにより、ユーザーの好みにあわせて、イヤホンの音質をコントロールすることが可能になっています。
SoundCoreアプリは、操作方法のカスタマイズにも使えるので、本品を購入するなら是非とも使いたいアプリです。
また、Anker独自のGripFitテクノロジーによる装着時の安定感は抜群。
加えて、Ankerらしい充電周りの機能性も凄みがあり、特に10分の充電で2時間も使える急速充電は非常に便利です。
以下では、音・機能性を高いレベルで備えた、Anker SoundCore Libery 2の詳細レビューをお届けしていきます。
SoundCore Liberty 2の操作性ーほぼ不満なし!
SoundCore Liberty 2の操作性はかなり快適です。
なぜ快適なのか、どんな操作ができるのか、説明していきます。
物理ボタンなので、操作ミスが起きにくい
本品の操作の快適性をアップさせているポイントは、操作に使用するボタンがタッチ式ではなく物理ボタン式であることにあります。
完全ワイヤレスイヤホンあるあるなのですが、タッチ式で操作するイヤホンでは誤動作が結構な頻度で起きてしまいます。
筆者も以前はタッチ式のイヤホンを使っていて、2回タップしたつもりが1回と認識されてしまう、といったようなトラブルを経験したことがあります。
しかし、本品が搭載している物理ボタンなら、そんな心配はご無用。
このボタンにはカチッと押した感覚がしっかりあるので、操作ミスがほぼ起きません。
タッチ式の方が見た目だけなら先進的に感じられるかもしれませんが、物理ボタンを採用していることには小さくないメリットがあるのです。
では、そのボタンを使って行う操作を見ていきます。
SoundCore Liberty 2の操作一覧
- 音楽の再生・一時停止:左または右イヤホンのボタンを1回押し
- 前の曲に戻る/進む:左/右イヤホンのボタンを2回押し
- 通話に出る:着信時に左または右イヤホンのボタンを1回押し
- 通話を切る:通話中に左または右イヤホンのボタンを1秒長押し
- ボイスアシスタント起動:左または右イヤホンのボタンを1秒長押し
- 電源オン:左または右イヤホンのボタンを1秒長押し
- 電源オフ:左または右イヤホンのボタンを5秒長押し
※操作方法は、アプリ「SoundCore」からカスタマイズ可能
一通り、全ての操作を試してみましたが、誤動作はありませんでした。
ボタンの位置も押しやすく、操作性は高水準です。
おまけに、操作方法はアプリ「SoundCore」からカスタマイズ可能です。
デフォルトでは、イヤホン側からボリュームの調整をすることはできませんが、アプリから操作を割り当てることで可能になります。
ペアリングについて
本品はペアリングも快適です。
スライド式になっているケースのフタを開ければ電源がオンになるので、そのままペアリングできます。
また、手動でペアリングモードにしたい場合は、イヤホンをケースに入れたままフタを開き、充電ポート横のボタンを3秒長押しすればOK。
なお、ペアリングモードに移行しているときは、左のイヤホンのLEDが常時点灯・右が点滅、という状態になります。
また本品は、両イヤホンを使用するステレオモードだけでなく、片方のイヤホンだけを使用できるモノラルモードも装備。
モノラルモードには、左右ともに対応しています。
SoundCore Liberty 2の装着感ーフィット感◎
SoundCore Liberty 2の装着感を一言で表すとすれば、「軽く、しっかり」です。
使ってみて感じた要点をまとめていきます。
軽く、しっかり。剛柔兼ね備えた装着感
まず、「軽い」の部分。
本品は、耳の穴をしっかり塞ぐカナル型ですが、イヤーピースに用いられているゴム素材は薄く、ソフトな触り心地。
耳を長時間塞ぐことによる疲れやすさが欠点のひとつとなるカナル型ですが、本品においてその不安はかなり小さくなっています。
なお、イヤーピースは7サイズが同梱されているので確実に耳のサイズに合うものがあります。
続いて、「しっかり」について。
本品には、耳にフィットするイヤーウイングが付属しており、耳の形状をしっかり捉えます。
このイヤーウイングは大中小3種類が同梱されています。
SoundCore Liberty 2の音質ーバランスの良さが光る
やっとたどり着きました。
SoundCore Liberty 2最大の魅力である、音質のお話です。
価格不相応ともいえるその音を司る、大型ドライバーやコーデックについて解説します。
10mmのダイヤモンドコーティング大型ドライバーを搭載!
本品は、直径10mmのダイヤモンドコーティングドライバーを搭載しています。
この10mmという数字がどれくらい大きいのか、というと、完全ワイヤレスイヤホンとしては最大レベルにデカく……
例を出して比較すると、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンの最上位機種・WF-1000XM3でも6mm。
もちろん、ドライバーの大きさ”だけ”で音が決まるわけではありませんが、この点だけで見てもSoundCore Liberty 2の音がかなりの品位であることがお分りいただけると思います。
実際に本品の音を聞いてみると、全体的にソツのないバランス型でした。
いわゆるドンシャリがはっきりしている音色で、幅広い音域をクリアに鳴らします。
強いて書くとすれば、低音がやや強い気もしますが、かといって高音も抜け目なく……
筆者はフリーライターという仕事柄イヤホンに触れることが多いのですが、1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンとしては破格だと感じます。
AAC、apt-Xの両コーデックに対応!
本品は、iPhoneなどのApple端末が搭載するコーデックAAC、Android端末が搭載するコーデックapt-Xに、双方対応しています。
このおかげで、端末の種類を問わず高品質な音源再生が可能となっています。
コーデックって何なの?という方は以下の記事をどうぞ!
アプリで自由に音質を変えられる!
本品が搭載しているユニークな機能として、アプリ・SoundCoreを通したイコライザー調整機能があります。
イコライザーを調整することにより、ユーザーの好みや楽曲にあった、適切な音質を実現します。
イコライザーとは
音質の補正設定のこと。多種多様な音のなかで、どの音域を強調するのか・あるいは弱めるのか、といった設定を司ります。
イコライザー調整による影響はかなり大きく、たとえば「エレクトリック」を選ぶと高音が強くなったり、「ポップ」を選ぶと中音が強くなる、といった特徴があります。
本品では、イコライザーの設定がなんと22種類も備わっていて、ただただ切り替えて色々な音を試してみる、というだけでも面白みがあります。
また、本品でSoundCoreアプリを使うもう一つのメリットがHear ID。
これは、各ユーザーの耳の感度をアプリが把握して、ちょうど聴きやすい音になるよう、アプリ側で設定してくれるシステムです。
なお、測定には3分ほどの時間がかかります。
SoundCore Liberty 2の機能性
続いて、本品の機能性について紹介していきます。
特徴的なのは、”Anker”製品らしいバッテリーの強さです。
“Ankerらしさ”抜群! 長大なバッテリー持続時間
長大なバッテリー持続時間は本品の魅力のひとつ。
具体的な数字だと、
- イヤホン単体で最大8時間
- ケースがフル充電なら最大32時間(イヤホンフル充電4回ぶん)
の連続再生が可能です。
完全ワイヤレスイヤホンは、ケースがバッテリー兼充電器になっています。
コンセントからケースを充電し、ケースからイヤホンに給電する形になっています。
ポイントは「イヤホン単体で8時間」、という部分です。
完全ワイヤレスイヤホンのイヤホン単体での連続再生時間は、3〜5時間程度となっているケースが多く、本品の長大さは際立っています。
以前に当サイトでレビューした、Amazonで爆売れの中国製完全ワイヤレスイヤホン・Pasonomi TWS-X9も、最大3時間しかありません。
また、充電速度も速く、わずか10分の充電で約2時間の音楽再生が可能。
「充電を忘れてしまった!」というときも本品なら安心ですね。
また、本品のケースの充電はUSB-Cから行います。
MicroUSBを採用した機種が多い完全ワイヤレスイヤホン。
そのなかにあってUSB-Cの採用した本品の先進性がみて取れます。
IPX5の防水に対応し、雨の日でも安心して使える
本品は、雨の日に安心して使えるだけの防水にも対応しています。
防水規格で表すと、IPX5に相当します。
これは「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」と定義されている水準。
雨や汗による浸水で故障することはまずないといってよいレベルです。
ただし、水没に耐えられるほどの防水性能ではないので、注意してください。
SoundCore Liberty 2のおすすめ度
星5.0
本品は、非常に高い完成度を誇る完全ワイヤレスイヤホンです。
軽快な操作性、装着感の軽さ、カスタムできる高音質、長大なバッテリー性能など、隙がありません。
価格は1万円弱と安い買い物ではありませんが、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとしては完成形に近いアイテムといえます。
実際使っていて「この機能があれば……」と惜しさを感じさせられることはありませんでした。
SoundCore Liberty 2は、こんな人におすすめ!
- 予算1万円で完全ワイヤレスイヤホンを探している
SoundCore Liberty 2のスペック
- 最大使用時間:32時間
- 防水機能:IPX5
- Bluetooth:Bluetooth5.0対応
- 最大通信距離:10m
- 対応コーデック:SBC、AAC、apt-X
- ドライバーサイズ:10mm
※取扱説明書より引用